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タイ 生産高比例法の減価償却計算の検討

クライアント業種:車両部品製造業

期間:1か月超

クライアントは、アルミニウムダイカストから車両部品を製造しています。顧客が仕様を設定した金型を自社で外部へ発注し自社の固定資産として計上され、5年間で償却されておられました。

当該金型の性質上、実際は3~4か月で耐用限度が来てしまい、販売期間も1年未満であるため、現状では粗利が実態より過剰に計上されてしまう、という問題を抱えておられました。

つまり、ご相談いただいた内容は、

  1. 実態に合わせ生産高比例法を適用して減価償却計算は可能か

  2. 途中で減価償却計算を変更することは可能か

というものでした。

  1. の論点について

タイ国会計基準(TAS)16.6にある固定資産の定義は、IAS16.6と同じく、

・財貨の生産または役務の提供に使用する目的、外部へ賃貸する目的または管理する目的で企業が保有するもの、かつ、

・一般会計期間を超えて使用されると予測されるもの

とあり、3-4か月で償却しきってしまうのであれば、固定資産ではなく棚卸資産の1つとして計上し、使用を終えた時点で原価に振替えるという処理が可能と読めます。しかしながら、一方で、得意先の生産計画の都合、不具合が生じた場合の再生産への対応等、当該金型の使用期間が1年を超える場合は、固定資産としての計上が考えられるため、取引を確実なものとするため、歳入局へ状況を説明した照会文書の提出をお勧めいたしました。

減価償却に関しては歳入法典第65条のbis (2) に定めがあり、資産の減価償却費を損金処理するためには、勅令145号およびその改正勅令に定められる規則/方法/条件および償却率に準拠する必要があります。

具体的には、以下の3つの方法が考えられます。

i. 通常の減価償却方法(勅令145号)

ii. 中小企業に認めれられた減価償却方法(勅令395)

iii. 生産高比例法

勅令145号では、一般に妥当と認められた会計基準に従って償却率が変化する方法を適用することもできるとあり、年間償却額がⅰ.の償却率を上回ることも認められています。しかしこの場合、資産の償却年数がi.の償却率で100を除した数を下回らないことが条件になっています。金型の場合は100/20=5年ですので、初年度でほぼ償却しきってしまうような運用は認められないと考えられるのが一般的です。さらに、実務上固定資産の減価償却計算は会計システムで自動計算を行っていることが一般的であるため、もし金型だけ生産高比例法を用いるとなると別途エクセル等で集計・計算し、会計システムに入力する作業が増えるというデメリットもあることを踏まえご判断をお願いしました。



 2. の論点について


勅令145号によると、一旦会社が採用した一般に公正妥当と認められる償却方法や償却率は、これを継続して適用する必要があります。償却方法および償却率の変更は、歳入局長官あるいはその代理人の承認が必要であり、新しい償却方法や償却率は承認を受けた事業年度より適用されます。しかし、新しく資産を購入した場合に、より合理的な理由で別の償却方法や償却率を適用することは問題なく、特に歳入局への申請や承認を求められるものではないことをご説明いたしました。

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